顧客はビジネス ch6
顧客は何に満足を感じ、何に価値を見出し、どうお金を使い、どう合理性を感じているのか理解する。ビジネスをやっている側からみたその顧客像は間違いがつきものだが,正しいかどうかを不断に検証する努力はすべきである。
Market Reality
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顧客とマーケットに関するビジネス側の知見は,誤りの場合が多い。本当に顧客のことが分かっているのは顧客だけである。顧客に尋ね、顧客を観察し、顧客の行動を理解しようとして初めて、顧客は誰か、顧客は何をするのか、どうやって顧客は購入するのか、買ったものをどう顧客が使うのか、何を顧客は期待して買うのか、顧客は何に価値を置いているのか、などがわかる。
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顧客が買うものは、製品ではない。顧客が得た満足に対して対価を得ている。
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製品やサービスの直接の競合相手として考えているものは、往々にして、競合している製品・サービスを適切に把握していない。顧客は満足を購入しているため、全く違うもの、全く違う機能を持つもの、違う作られ方で作られたもの、別のDistributive channelで売られているものと競合していると見るべき。
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企業側が製品・サービスの重要な「売り」と考えているところは,顧客にとってはそれほど重要ではなく,その「売り」をつくるために,企業側がどんなに苦労しようが,コストがかかろうが,顧客には関係がない。顧客の関心は,その製品・サービスが顧客にとって得になるか,だけだ。
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顧客は合理的な選択をしていると考えなければならない。
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どの製品・サービスもMarketにとってはさして重要ではない。
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以上の主張は,我々は顧客が誰かを知っていることを暗黙に仮定している。しかし Market分析は顧客が誰かを知らないという前提に立たなければならない。検討すべき顧客の最小の数は2,つまり最終的な購入者とDistributive channelである。
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顧客を思い付かない場合は,どうするのか。そのときは,その製品・サービスがどこで購入されているのか,何に使われているのかを,分析の出発点とすべき。
See Unexpected
以下の問いにまず答えなければならない。
- 顧客はだれか
- どこに顧客はいるのか
- どのように顧客は買うのか
- なにに価値があると考えているのか
- 顧客のどんな目的が我々の製品・サービスによって達成されるのか。
- 顧客の生活や仕事において、我々の製品・サービスがどんな役割を果たしているのか。
- 製品・サービスはどれだけ顧客にとって重要なのか。
- どんな状況で、その達成すべき目的の重要性が顕在化するか。
- どんな状況で、その達成すべき目的の重要性が薄れるか。
- 直接的、間接的に競合する製品・サービスは何か。
- それらの製品・サービスは明日はどう動くだろうか。
これくらいは答えられて当然。難しいのは以下の4つ
- Marketには存在するが、顧客となっていない人はどんな人か。それはなぜか。
- 顧客は、とどのつまり、何を買っているのか。顧客は、自分のお金と時間を使って何をしているのか。
- 顧客も顧客となっていない人も、他から何を買っているのか。彼らにとってその購入で得られる価値は何か。
- 顧客にとって真に重要な満足を与えることができる我々の製品・サービスは何か。
a. 顧客が、我々の製品・サービスなしですますことできるには何が必要かを考えてみる。 b. 顧客にとって、意味のあるまとめ方は何だろうと、考えてみる。 c. 競合相手でないのは何だろうか。なぜそれが競合相手ではないのだろうか。 d. 我々は誰にとっての競合相手ではないのか。隠れたチャンスはないだろうか。
顧客を理解する
以下の問いに答える
- 顧客の行動のうちで、不合理な行動に見える行動は何だろうか。
不合理に見える行動を手がかりに、それが合理的な行動とせざるを得ない顧客側の現実を理解することが、自らのビジネスを顧客やMarketからの視点で捉えることの最も良い方法。